第二回 シャッター絵 企画



全国の消防団には、消防車の車庫のシャッターに絵を描いているところが
多数 見受けられ、所沢市の消防団でも、第6分団のシャッターに地域の
小学校児童さんの手による絵が描かれています。

我が第7分団においても以前、地元 所沢市立山口小学校に御協力頂き
児童さんに絵を描いて貰い、看板屋さんに頼んでカッティングシートに
転写してシャッターに貼り付け、防火・防災のPRを兼ねて、消防団に
少しでも興味を持って貰えれば,親しみを感じて貰えれば…と掲示させて
頂いておりました。

 しかし長い年月、風雨と強い西陽に晒され続けたシャッター絵は、皺が
寄りインクが滲み,あるいは変色し、シートの劣化が目立つようになり
シャッター絵企画の許可を頂くにあたって、当時 消防団の事務局であった
所沢市消防本部警防課と交わした「綺麗に維持管理をして下さい」という
約束を守るため、早急な更新が必要となったのでした。
このページでは、その 第二回 シャッター絵 企画を紹介させて頂きます。

jyomaku1
撮影者:神藤 自治連合会長様(多謝)



 今回、シャッター絵の更新は容易ではありませんでした。

第七分団の車庫そのものが経年劣化し、外壁塗装は粉を吹き
目地はひび割れて雨水が浸入し、天井のペンキは禿げ落ちて
土台の鉄骨も塗装が禿げて錆が進行していました。
シャッターだけを綺麗にしても、これでは仕方ありません。
そこで市役所の危機管理課に前年度から陳情し、詰所修繕費
から幾らかの補助金を頂き、外壁修繕から手を掛ける事に。

無事に工事の目途が立ち、それからようやく、PTA会長や
地元選出の市議にもご同行頂いての、山口小学校 校長室の
訪問,シャッター絵の依頼ということになりました。
preparation1

preparation2 今回、山口小学校の校長先生には有り難いことに全面的な
御協力を頂いて、
3年生くらいの年齢が一番のびのびとした絵が描けますよ
と、3年生の児童全員100人に絵を描いて頂くことに。

あまり暑くならないうちに描きましょうということで6月
校庭に消防車で御邪魔して、授業の一環として思い思いに
絵を描いて貰いました。

絵を描いてくれている子供たちは皆 目がキラキラしていて
一生懸命に筆をはしらせてくれ、休み時間は一緒になって
遊んだりと、団員にとっても得難い経験ができた素晴らしい
1日となりました。

7月のはじめ、校長先生から御連絡を頂き、3年生の児童
100人の絵が完成したと報告を受けて、校長室を再訪問。

ちょっと見るだけでも力作揃いで、この優秀作品の審査は
嬉しい悲鳴だが困難を極めるだろうなあ…と予感させるのに
十分!ずっしり重い100枚の絵を受領して、早速、団員と
審査の方法について議論することにしました。

結果、第一次審査では全体会議の折に皆で選定し、30作品
程度に絞り込む事となり、会議終了時、最終的に26作品に
まで絞り込みました。
jyomaku2

jyomaku3 第一次審査を勝ち抜いた26作品は、力作中の力作だらけ。
受賞対象を11名に決定し、賞品の候補を絞り込んだり副賞
を選んだりと企画の進展はありましたが、肝心の受賞作品が
甲乙付けがたく なかなか絞り込めません(苦笑)

車庫の写真に合成して26作品の完成予想図的な動画も作成
して団員に見て貰うなどし、より明確なイメージを伴った中
熟慮を重ね、毎年恒例のポンプ車操法大会の終了後、受賞
対象作品を決定しました。

シャッター絵の転写対象に選んだ最優秀作品をデジタルデータ
化して看板屋さんに持ち込むと、前年から内々に依頼していた
にも関わらず、忙しくて申し訳無いが今スグは作業できないと
言われてしまいました。

現シャッター絵の剥離作業も手伝いながらやって貰うつもり
でしたが…絶望的となり、仕方なく やり方を教わって自分達
でやることにしましたが…この作業は困難を極めました。

劣化したとはいえ業務用のカッティングシートの頑丈さは半端
では無く、ドライヤーでアツアツにして軟らかくなったところ
を金属ハケで削ぎ落とすという地道な作業で、火傷や血豆を
量産しながら やっとのことで剥がし終わると今度はシートの
糊がシャッターに固着していて、それの除去ということになり
溜息が出ました。
jyomaku4

shikiten1 糊の除去はホームセンターで化学溶剤を買ってきての作業
で、やはり材料的には安価でしたが、化学薬品で皮膚が荒れ
長時間吸い込んでいると意識が朦朧したりして、素人には
装備も知識も無く、本当に大変な作業でした。

最初はウェスに溶剤を染み込ませて拭いていましたが効率が
悪く、試行錯誤した結果、研磨スポンジを使い捨てにして
滴るほど溶剤を付けて溶かしながらスポンジに糊を移す、、
という作業になりました。

これ…次回同じことをやるのは非常に厳しいから、何か巧い
貼り方を考えて貼る方が良いね! 作業に当たった団員全員
がそう思えたのでした。

辛い剥離作業をしている間も、看板屋さんと改めて日程の相談
をした結果、当初予定していた11月初旬には間に合わない事
が確定的になり、火災期本番となる12月まで引き延ばしたく
ないので何とか11月末迄で!とお願いして折り合いを付け、
校長先生へ連絡をして、日程を相談させて頂いた結果、11月
26日にお披露目することが決定したのでした。

肝心の貼り込み作業の方は…思案した結果、シートと糊の除去
が最も困難だった深い溝部分に極薄のプラシートを貼り穴埋め
し、シートを貼り込むシャッター表面を なるべく面一にして
行うことにしました。深い溝は可動部とは関係なく裏側の骨組
にリベットで固定する為のもので、埋めてもシャッターの開閉
には何の問題は ありません。
これで次回の剥離作業は格段に容易くなることでしょう。
shikiten2

hyousyou2 お披露目の当日が近づいた11月21日、朝から新しい
シャッター絵の貼り込み作業を開始しましたが、登下校時
を避けていれば大丈夫と思っていたものの考えが甘かった
ようで、運悪く(?)、その日に写生大会を終えた当の3年生
の児童達が通りがかって作業をバッチリ見られてしまい、
「わぁ~!絵貼ってるぅ!!○○ちゃんの絵だ~!!」と
お披露目までナイショにしておくつもりが、あらら…最初
からバレてしまったのでした(笑)

ともあれ、これ以上はヒミツ!と、新聞紙やブルーシート
などを活用して隠しながら2日かけて絵を貼り込み終えて
やっと完成♪
まだお披露目が済んでいなかったけれど、長い長い道のり
を振り返って、一同 感激を噛みしめる瞬間でした。

そうして迎えた11月26日、シャッター絵のお披露目の日

所沢市長様や校長先生をはじめ、大勢の御来賓の方々,受賞
対象となった子供たち・親御さん達…有り難いことに本当に
たくさんの方々が集まって下さいました。

当初の想定よりもだいぶ多い人数にビックリして、急遽
駐車場を借りて臨時駐車場の立て看板を作ったり、前日に
なってから公民館でマイクを借りてきたり、詰所周辺の方々
に御迷惑をおかけしますと文書を配ったり…と、バッタバタ
でした(苦笑)
kinen_satuei

hyousyou2 ちょうど踏切が降りて道路の片側の車通りが無くなった
タイミングで11人の受賞対象の子供たちと一緒に用意
した白布の幕を 司会の副分団長の合図で一斉に引っ張り
除幕! 拍手♪拍手♪

無事に新しいシャッター絵のお披露目となりました♪

子供たちの満面の笑み、それを見ている親御さん達の笑顔

そう、我々が見たかった景色がそこには ありました。
地域の人達と一体になれた…、やって本当に良かった!
そう感じられた とても幸せな時間でした。

手作りの賞状と、皆で選んだ賞品を手渡し、市長様・校長先生
から御祝辞を頂いて、大勢の方々に祝福され、除幕式は名残り
惜しくも盛大のうちに閉会となりました。

最後にみんなで記念撮影♪ 子供たちに賞状を持って頂いて、
はいチーズ!

ほぼ丸々1年間にわたって、色々な方にお世話になり、関わり
頂いて、ここまで来ることが出来ました。
素晴らしく綺麗になった車庫は、地域のランドマークへ大出世
したのでは?と自負しています(笑)

皆様に心からの感謝を。今後とも第七分団は親しみある消防団
を目指し邁進して参ります。 どうぞ宜しくお願いします。
kinen_satuei



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1996,2017 Tokorozawa Fire7 Volunteer Corps