消防団危険予知トレーニング S-KYT



消防団危険予知トレーニング とは

消防団は特別公務員とは言いつつも、地域の人達で構成されるボランティア的
意味合いの濃い団体です。
 消防職員と違って、本業を別に抱えながら有事には地域の為に尽力するが為
に 日々、危険と隣り合わせの消防士とは違って 危険に対する心構えが不足
しがちであったり、危険を予見できない場合も考えられます。
 そのような事から、事象別に どのような危険が予測できるかを みんなで
話し合い、確認し合う事で 事故や災難から身を守っていこう!というものです




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§ ステップ1 §
左の図を見て下さい。消防士が一人、車道にある
地下式消火栓の重いフタを開けています。
こんな
場合、どんな危険が予測できるでしょうか?
また、結果としてどうなってしまうと考えられる
でしょうか? これが、ステップ1です。

 誰でもすぐに「車に跳ねられて死ぬ」とか
「フタを落として手足に怪我をする」
とかは
思いつく事でしょう。 しかし、何人かで集まって
話し合っていく事によって「フタが重いので腰を
痛める」
であるとか「人やバイクが気づか
ないで穴に落ちて怪我する」
といった様々な
危険が提案されてきます。




§ ステップ2 §
ステップ1では、ありとあらゆる危険を考えてみました。 次にステップ2として
考えられる危険のうち、最も重要だ、、、と考えられる危険について、予防策を
考えて
みます。
火災現場であるのか、単なる消火栓の調査なのか、、、といった状況判断や、交通量の
多/少も考えていかねばなりません。様々な事象を考慮して、あらゆる予防策を考えて
いきましょう

 例えば、ここは交通量が多くて「車に跳ねられる」のが、最も危険性が高く
重要だ!と判断したとしましょう。

では、予防策はどのようなものがあるでしょうか? 「交通整理員として、何人か
を配置する」
とか「警察と共同して道路封鎖する」とかは すぐ思いつきそう
ですね。
他にも、皆で話し合う事によって、様々なアイデアが浮かんでくるハズです。
「カラーコーンを周りに置く」とか「消防車を手前に配置する」etc...

どんな状況下でどんな予防策があるでしょうか?他にも考えてみて下さい。



§ ステップ3 §
次はステップ3です。 ステップ2で考えた予防策のうち、すぐに実行できそう
なものを選びます。

上記ステップ2の策から選ぶとすると、

交通整理員は簡単そうですが、この場面が火災現場であるならば、人手が足りない
 かもしれません。 単なる水利の調査だったならば、十分に実行可能でしょうが。

警察と共同するのは災害現場に限られるでしょう。 でも、まだ到着してないかも
 しれませんし、警察の人達が展開している場所が遠いかもしれません。

カラーコーンは常時消防車に積んでいるのだったら、有効な手段でしょう。上の絵
 では少なくとも防火服を着用しているように見受けられるのですから、消防車で来て
 いると 考えられない事もないですね。

消防車を手前に配置して、進行してくる車に何かがある事を知らせるのは良い案
 ですが、逆に消防車の影に入ってしまい、センターライン側で作業しているだけに
 対向車が来た場合、かえって危険を増加させてしまうかもしれません。

さぁ、どんな予防策ならば、すぐ実行可能であると判断しましたか?



§ ステップ4 §
ステップ3で すぐに実行可能な予防策を選択できたなら、次はステップ4です。
ここで、ステップ1~3をまとめて、分かり易い具体的な文章にしてみましょう。

ステップ3で 仮に交通整理員を配置する事が、簡単に実行できると判断したと
します。 すると・・・

火災現場で車道の消火栓のフタを開ける時は、車に跳ねられる危険性が高いので
交通整理員を事前に配置し、安全を確保する

 ・・・という具合になりますね。

ステップ1~3で違う選択をしてくれば、自ずと答えは変わってくるハズです。
団員全体をいくつかのグループに分けて、それぞれ考えたなら、様々な答えが出て
くることでしょう。



§ ステップ5 §
次にステップ5、、、まとめです。

ステップ4で導き出された答えは、誰から見ても分かるような具体的文章でした。
しかしながら、コト日々の消防団活動や災害現場での活動においては、長い文章では
いちいち覚えていられませんね。
そこでキーワードを抜き出し、そのような現場において簡単に復唱し、即実行できる
ように簡潔に まとめます
 上記例をとると・・・

「消火栓のフタは、事前に交通整理員 配置! ヨシッ!!」

 ・・・こんな感じでしょうか? 復唱するのですから、語尾に「ヨシッ」が付く
わけです。

はい、これで一つの危険予知ができました。 簡潔に まとめられた文章をグループの
みんなで復唱し、現場で役立てられるように心にとめておきましょう。


これが、我が市の消防団でモニタリングされた、危険予知トレーニングです。
我が市の場合、消防職員の方々が事前に消防庁にてレクチャーを受けてきた事
を、団代表2名が消防職員の方の開く講習会で講義を受け、それぞれの分団に
持ち帰って分団全員で取り組んでみる、、、という方法で行われました。

 今回の例は路上の消火栓が題材でしたが、このようにして様々な場所
や事象に関して危険を予知し 未然に事故を防ぐことによって、消防団活動を
安全かつ効率的にしていこう! という考えを持つことが今後ますます重要
であると思われます。

ちなみに、我が分団の私の所属したグループ(若衆)では、

step1:落とすと危険が最も起こりやすく重要->
step2:一人で作業しない・腰を入れて作業・手袋や安全靴を着用->
step3:腰を入れるが即実行可->
step4:消火栓のフタを開ける時は、フタを落として手足を怪我をする
     おそれがあるので、腰を入れて作業をし、気を抜かない
->
step5:消火栓のフタは 腰を入れて、ヨシッ!

 ・・・という結果になりました。。。。笑えてしまいますが、
楽しみながらも危険性を未然に指摘し、備えるという事は大切だと感じました。




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2001,2004 Tokorozawa Fire7 VolunteerCorps