オリジナルTシャツの作成


 パソコンが普及した事で、アイロンプリント紙を利用したオリジナルの
Tシャツやトレーナー等が、とても容易く作れるようになってきました。

我が第七分団では、毎年のように有志でオリジナルデザインのTシャツを
作ってきた事もあり、ようやく手慣れてきた感がありますので、過去の
デザインの紹介と併せ、多少偏見(?)も入った意見を添えつつ作成方法など
を紹介したいと思います。



準 備 編作 成 編履 歴 編




準 備


パソコンを使ったオリジナルデザインのTシャツやトレーナー等を作る
のに必要なのは、以下の物品です。

・パソコン
 スペックが低くても大丈夫ですが、A4サイズのデザインを扱える
 くらいの能力(特にメモリ)は必要かと思います。
 概ね、WindowsではCeleron300MHz以上のCPUと128MB以上のメモリ
 を搭載していれば、作業自体は容易に出来るのではなかと思います。
 ただ、最近のプリンターはUSB接続が主流ですので、このUSBを不具合
 なく快適に使いこなせるパソコンとなると、Windows 2000かXP
 どちらかのOSを搭載している方が良いと思われます。(*1)
 またこの2つのOSは、Windows 95,98,Me に比べてメモリの扱いが
 上手な側面もありますので、Windows 2000かXPが快適に作動する
 パソコンが是非とも欲しい所です。
 MacintoshもWindowsと同様、旧型でも十分に作業できます。
 ただ、G3以前の旧型MacintoshですとUSBポートを備えてませんし
 MacOS8.5前ではUSBを扱えませんので、最新のプリンターを使用する
 場合には、別途USBを増設してOSのアップグレードをするか、市販の
 プリントサーバ機器を利用してネットワークプリンタにするか、
 シリアル接続にも対応したプリンタを選ぶなどの工夫が必要になる
 と思います。

 *1…Windows 95,98,MeでISDNのターミナルアダプタの接続やUSB機器の
   脱着時に起こる障害などで難儀した経験をお持ちの方は以外と多い
   のではないでしょうか?^^;


・DTPソフト
 パソコンがあるだけでは、プリントのデザインを作れませんので
 当然の事ながら、対応するDTP(デスクトップピクチャー)ソフト
 ウエアが必要になります。
 ひとくちにDTPといっても様々な種類があり、それぞれに特徴や
 ウリが違いますが、レイヤーを用いた重ね合わせ作業が出来る物や
 文字の変形・飾り付けや アウトライン化の出来る物が、是非とも
 欲しい所です。
 またデジカメ写真を用いたデザインを作る場合には、写真加工が
 出来る機能が欲しいですし、立体的なデザインを作る場合には
 3D描画の出来るソフトが欲しいですね。
 Windowsではペインターやペイントショップなどが,Macintoshでは
 フォトショップやイラストレーターなどが有名ですが、これらの
 ソフトはとても優秀な反面、使いこなすのに時間を要する・製品が
 高価であるといった側面もありますので、書店などでハウツー本を
 手にとってみて、機能や扱いやすさを推測・比較して、予算と動作
 環境から候補を絞り込んで購入するのが良いと思います。
 また旧型のパソコンを使用する場合は、最新のソフトウエアでは
 動作が鈍重になりすぎてしまう事や、動作そのものがしない,難しい
 といった事象もでてきますので、オークションやアウトレット等で
 旧製品を入手する必要もあるかもしれません。
 独断と偏見の意見を言わせて貰えば、アドビ社のPhotoShopElements
 が価格面・機能からいってオススメできると思います。

・プリンター
 インクジェット型のプリンターは、技術革新が目覚ましいので、
 最新の製品であればある程、良い仕上がりが期待出来ると思います。
 耐水性に優れたインクを使用しているなら、なお良いですね。
 昇華型のプリンターでは、旧型の物でも 時間さえ惜しまなければ
 かなり良い物が出来ますし、金や銀,メタリック,光沢,白といった
 インクジェット型やレーザー型では表現不可能な色も出せたりします
 が、いかんせんコストが高めについてしまうのが痛い所です。
 レーザー型のプリンターでは、対応するアイロンプリント紙の種類が
 少ない為、高速でキレイに仕上がる性能が十分に生かし切れない点が
 大変残念な所です。
 独断と偏見ですが、インクジェット型のプリンターでは、6色インク
 で耐水性に優れるエプソン社の最新モデル PM-940C/980C が、、、
 昇華型では、多くのユーザーに支持されているアルプス社の MD-5500
 がオススメです。

・アイロンプリント紙
 パソコンの普及に伴って、数多くのメーカーから発売されるようになり
 選択の幅が広がった感のあるインクジェットタイプのアイロンプリント
 紙ですが、メーカーによって かなりの性能差がある事が 数年来の作成
 経験によって明らかになってきました。
 具体的には、プリント部分が剥離して削げ落ちてしまうタイプ,脱色が
 激しいタイプ,濡れるとデザインに滲みが出てしまうタイプ,プリント
 部に亀裂やズレが生じてしまうタイプ があり、これらは僅か数回で
 Tシャツごと使い捨て状態になってしまう為、避けたいところです。
 一夏の練習期間だけプリントが保持できれば良いというなら、比較的
 どこのメーカーの用紙でも使えますが、あまりに勿体ないですね。
 各社の用紙を使用して、同じような条件下で作成した同じデザインの
 プリントTシャツを継続的に着用と洗濯を繰り返した結果をみて、
 独断と偏見で言わせて頂くと、サンワサプライ社から出ているアイロン
 プリント紙が最も耐久性に優れ、良いと思えました。
 またこの会社からは、従来だと昇華型プリンターでしか扱えなかった
 黒や紺といった濃色の生地に対してもプリントが出来る用紙も発売
 されており、とてもオススメです。

その他、欲しい品物としては、スキャナー,デジタルカメラ,フォントなどが挙げられる
でしょうか。。。
スキャナーとデジタルカメラがあれば、練習や行事で撮ったスナップや風景をパソコンに
取り込んで、デザインに転用が出来ますね。
フォントも、OSに標準で搭載されている物以外に作成したデザインに良くマッチする
書体を持っていると、大変重宝します。
インターネットの普及で、フォントは書体1つからダウンロード購入できるサイトが
増えてきました。
拡大してもカクカクが目立たないアウトラインフォントは勿論、炎のシルエット付きの書体
などなど・・・数多くの種類があり、それらを活用すると 一味も二味も違った作品が
出来ると思います。







アイテムが揃ったら、さぁ作成です!

・デザイン
まずは肝心要のデザインを作成しましょう。ポイントは色々考えられ
ますが・・・

1.なるべく角の少ないデザインを心掛けて、耐久性を上げる
2.構図やアイデアをよく練り、完成しても数日おいて再見分する
3.画面の色あいと印刷した時の色合いの、発色の違いを確認する
4.着用する人物の体型や肌色,プリントする衣類の色を意識する
 、、、といったところでしょうか?

1番の角を少なくするという項目はアイロン転写の場合、最重要です
これはある程度デザインを印刷して切り抜く段階でリカバリーが可能
なのですが、あまりに細くなりすぎる部分や尖ってしまう部分は強度
が脆いので、洗濯や着用時の摩擦などによって、剥がれ落ちの原因に
なってしまったりもします。
ですのでデザイン段階で、極力避けるように心掛けた方が無難です。

・印 刷
デザインが完成したら、次は印刷です。
インクジェット型のプリンターの場合は、目詰まりやインク切れ等が
ないかどうか、テストプリントやヘッドクリーニングは必ずやって
おく方が良いでしょう。
昇華型のプリンターの場合は、セットしてあるカートリッジの種類と
リボンの残量に気を配ると共に、普通紙より若干厚めのアイロン
プリント紙が、正常に給紙・排紙されるかどうかのチェックも重要
だと思います。
プリンタの準備が整ったら、普通紙をセットして、普通に印刷を
行ってみて下さい。
プリンターの状態によってはヘッドクリーニングなどで発色が多少
変化したりするので、まず普通紙に仮印刷を行って仕上がりを確認
した上で、再度色合いや彩度の調整をするか、本印刷を実行するか
決めて下さい。
デザインの色合いとプリンタの状態が両方良好であれば、アイロン
プリント紙をセットして、本番となる印刷に移ります。
ここで重要なのが、各メーカーによって用紙のセットや印刷の方法
が違う事です。
大抵の場合、アイロン糊のついているツルツルした側に、鏡に映した
ように、左右を反転させて印刷するのが一般的ですが、一部の用紙
では普通紙と同じ感覚で印刷し、裏側のシートを剥がして転写する
タイプもありますので、付属の説明書をよく読んで、失敗のないよう
にしましょう。

・切り抜き
印刷が終わったら、切り抜きへと作業を進めます。
印刷が無事成功したアイロンプリント紙は、2~3時間陰干しをして
おきます。そうする事で、余分な湿気が飛び、インクが用紙によく
馴染みますので、後々でのトラブルを最小限に抑えられます。
陰干しが終わったら、ハサミやカッターなどを利用してデザインの
切り抜きを行います。
この時、角を作らないように切り込みを入れるようにして下さい。
デザイン上で鋭角になっている部分に対しては、なるべく度の緩やか
なカーブを作るように周りを切り抜いていきます。
概ね、デザインから1cmくらいの余裕をもたせて切り抜いていくと
仕上がり・耐久度 共に良い、完成が期待できます。
最初に大まかに切り抜いてから、角をなくしつつ細かく切り抜いて
いく方が上手く出来るかもしれません。
なお、濃い色の衣類に対してインクジェット型のプリンターと専用の
プリント紙を用いて転写する場合は、切り抜きの余白が全て白色に
なってしまいますので、デザインに角がある場合については切り抜き
による耐久度向上が難しくなりますので余白の白色を上手く利用する
か、デザインの見直しが必要かもしれません。

・転 写
切り抜きが終わったら、アイロン台をしっかり固定してアイロンの
電源を入れ、スチーム無しの中温にして、十分に熱くなるのを待って
から、転写したい衣服の転写したい面を中心に、一度アイロンがけを
行います。 こうすることで、衣服の余分な湿気が飛び、衣類の表面
温度が上昇して転写の馴染みが良くなります。

1度アイロンがけが終わったら、いよいよ転写です。
アイロンの温度をスチーム無しの最高温度にまで上げて十分に温度を
上げておきます。
切り抜いたデザインを衣服の希望の位置に置き、配置が決まったら
ずれが起きないように普通紙を1枚かぶせます。
メーカーによってはアイロンプリント紙に別途、転写用の用紙がある
場合もありますので、もしある場合にはこちらを使用しましょう。
アイロンの温度が高温で一定になったら、アイロン自体の重みだけで
滑らせるような感じで、紙の上から軽くアイロンがけを行います。
この時、万が一デザインのズレが生じた場合は即座に中止して衣類の
表面が冷えるのを待って慎重に修正を行って下さい。
また、この時水蒸気があまりに沢山立ちのぼるようであれば、印刷後
の乾燥が十分ではないので、直ちに作業を中止して数時間乾燥させた
方が良いです。急激な水分の気化に伴って、気泡状の模様や滲みが
出てしまう事があるからです。
多少の水蒸気の場合は、そのままアイロンがけを強行してしまっても
OKです。
ポイントとしてはデザインの中央や、外側のズレやすい箇所に的を
絞って仮固定するような感じでアイロンがけをすると良いでしょう。

デザインの仮固定が終わったら、本番です。
アイロンの先端部にあるスチーム口は若干凹みがあり、ここを使うと
転写が上手くできませんので、それ以外の平らな面を利用するように
して、デザインの1番端にアイロンを乗せ、上から全体重をかける
ような感じで強く押しつけ、5秒強くらい持続させます。
5秒強が経過したら、アイロンを少しずらして同じように押しつけを
繰り返していき、まずデザイン外周部分を定着させます。
次に、上から下へ、右から左へ、先程と同様に5秒強ほど全体重で
押しつけるようなアイロンがけを行います。
デザイン面全体に、均等の熱と圧力を与えられるよう意識して行って
下さい。そうすることでプリントの強度が増します。
最後に、アイロンの先端を使って、布とデザイン部分の境目となる部分
を、デザインに沿ってアイロンがけを行い、デザインを一週したら
今度は、デザイン部分から布に向かうように、外側に向けて極軽く擦る
ようにアイロンがけを行います。
この時、あまりチカラを入れすぎるとデザインが擦れたり溶けたように
なったりしますので、布と境界をなじませるイメージで軽めに行って
下さい。

・完 成
アイロンがけが終わったら、十二分に衣類が冷えるまで放置しておき
ます。 仕上がりを見たいのは やまやまですが、ここは我慢して待ち
ましょう。
十分に冷えたのが確認できたら、上に敷いておいた普通紙もしくは
専用の転写紙をゆっくりと衣類の下側から剥がしていきます。
このとき、左右方向から剥がすと衣類の伸びでデザインの亀裂が生じる
場合もありますので、必ず伸びの少ない一方向からの剥がしを心掛けて
下さい。
万が一、普通紙または転写紙にインクが転写されてしまい、衣類側の
デザイン部の発色が薄いor一部剥離してしまっている場合には直ちに
剥がしを中止して、再度その部分だけのアイロンがけを実行して下さい
それでも多少のインク転写があって、衣類側が薄くなってしまう場合
には、普通紙もしくは転写紙を剥がしてから、シール等の台紙によく
使われている、表面にロウを塗ったようなスベスベした紙を調達して
きて、それをデザイン部に当てて滑らせるような感じでアイロンがけを
行うとリカバリーが上手く出来る場合もあります。
転写が完成したら、ハンガーにかけて、丸一日くらい影干しにしておき
それから着用・洗濯を行うと、脱色やデザインの滲みが少なく済みます
特に夏期着用する目的でTシャツなどを作成した場合は、発汗で長時間
濡れた場合に滲みが発生しやすくなるので陰干しをする方が無難です。

・着用&洗濯
着用して発汗したら、なるべく早く洗濯をして乾燥させるよう心掛ける
と良いです。普段着用する時は帰宅するまでなかなか気を配れませんが
濡れたままの状態で洗濯籠の中で放置するというのは避けた方が絶対に
イイです。
洗濯時の注意ですが、下着を洗濯するメニューが洗濯機についている
場合はそれを選び、メニューがない洗濯機の場合は、ソフトモードで
洗濯すると良いようです。
さらに気を配るなら、洗濯ネットに入れて洗濯すると効果的なようです
保管・収納する場合は、折り目に気を付けて、日陰のあまり湿気のない
場所を選ぶと良いと思います。
それともう一つ、着用時はせっかく苦労して作ったのですから大いに
自慢して、目立ちましょう(笑)








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1999年 初代デザイン。 都大会見学用に作成し
ジャンパーを皮切りに色々な衣服に転写を試みました。
今思うと貧相なフォントで良く作ったと思います^^;
2000年デザイン。当初タロットカードがモチーフ
でしたが懲り過ぎで失敗。気が付けばトランプに…^^;
いずれ作り直したいと思う没デザインであります。
2000~02年デザイン。県操法大会出場を通じて
長らく愛用しました。背景の炎は後になって放水長の
影絵がよく分からないとの指摘で追加したものです^^;
2003年デザイン。市ロゴマークを採用し
将来的にワッペンの作成もしてみたいという
願望から、2つのワッペンデザインも作成。







2003 Tokorozawa Fire7 VolunteerCorps