この手記は、平成13年に発生した、第七分団管轄下の山口・上山口 地域における連続放火事件に対する活動を当時の記憶を元に記録資料と して残すべく、書き記したものです。 それまでの我が地域は2年間無火災記録を達成するなど、防災意識の 強い地域,火災の少ない平和な地域として 市内で知られていました。 そんな町に降って沸いた事態が どれほどの事だったのかを伝え、また 今後も発生しないとは言い切れない この種の事件に対して、決して 忘れる事なく教訓に生かし、さらなる安全で平和な町作りに貢献出来れ ば、、、との願いを込めて、作成致しました。 なお火災現場の名称等はプライバシーの観点から伏せてございます。 予め御了承下さい。 |
|
今回私達が体験した連続放火事件は、TVのニュース等ではありふれた話題 ですし、他地域には、被害件数がもっと多かった事件も多々存在しますので 「へぇ~」とか「大変だねぇ」の一言で対岸の火事だと片づけられてしまう事 かも知れません。 でも、実際に経験してみると、TV画面というフィルターを通じてでは絶対に 知り得ないものが沢山あります。 ・夜起きて外を見たら空が炎に照らされて真っ赤だったらどうしよう?! ・起きたら家が放火され 部屋が炎で埋め尽くされているかも知れない。。。 こういった恐怖を味わった事が ありますか?? 地震で避難生活を余儀なくされた方々に話を聞くと、 目覚めたら家具に潰されてるかもしれない、余震が来るたびに恐怖で全身が 震えてしょうがない、、、というような事を大勢の方からお聞きします。 地震などは天災の1つですが、放火は言ってみれば 人災、、、被害者と加害 者が居る点を除けば、全く違うように思えて、実は同じ災害なんですね。 そこには恐怖があり、不安があり、決定的な手だてが無いまま、助け合って 生きていく人々の生活があります。 この点は現実を見せつけられ、痛いほど思い知らされました。 何かを学び取り、今後に生かすという意味では貴重な経験が出来たのではない かと思います。 一連の放火事件が収束してみて、感じた事、大切だと思った事は、、、
、、、というような事です。 分団OBや団歴の長い先輩団員に聞くと、昔は我が地域には火災が皆無であり 年に1度出動すれば 今年は災難な年だったな、と感じたそうです。 放火はよく都市化の副産物として捉えられる事が多いように見受けられます 実際、我が地域においても宅地化が進んで開発がなされたのは、ここ十数年の 事です。 それに比例して火災が増えたのは事実ですが、一方で自治会組織 などが地区ごとに活発で、昔ながらの活動を続けているのもまた事実です。 アパートなどでは隣近所に誰が住んでいるのか分からないというような所は あるものの、果たして宅地が増えて住民が増えただけで、都市化が進行したか といえば疑問に思えるような所が多々あるような気もします。 にもかかわらず、これだけの連続放火事件に苛まされ、地域の安全は犯され 恐怖に支配されました。 高等教育の浸透と、生活習慣の多様化で、放火の動機も 単純な怨恨から多種 多様になり、犯人も年々賢くなってきているそうです。 私達は思います、放火は決して都市化の副産物という側面だけを持つものでは ないと、、、いかなる地域においても、たった1人の放火魔が出現する事で、 地域の安全は根底から覆され 脅かされてしまう、、、それが現実でした。 私達の経験が、他の地域の皆さんに少しでも役立つ事を願って。。。 *御意見御感想等ありましたら、御気軽に掲示板に投稿をお寄せ下さい。 |