上級救命講習 再び!




忘れもしない平成13年 3月18日に、我が第七分団員を中心に、有志で参加
して下さった他分団の団員さん達と一緒に、所沢市消防団で初の上級救命講習
が消防本部講堂で行われ、数多くの知識や技術を習得してから、早くも4年余り
が経ちました。
新しい技術や知識に感嘆したものの、当時の第七分団管轄では昼夜を問わず連続
放火が発生していたので、受講中も気が気で無く、せっかく得難い知識を得たのに
いまひとつ充実感に欠けたような印象になってしまったことが 非常に残念でなら
なかったのを覚えています。

あれから4年、、、その間の医療技術や救命技術の進歩で、救命のガイドライン
も見直され、方法が若干変わったとのことで、今回の講習は以前学んだことを思い
出しつつ、変更になった部分を重点的に 細かく御指導頂きました。
有り難いことに、今回は第七分団詰所で行って頂けるとのことで、消防署の職員
の皆さんに早朝から詰め所にお越し頂き大変恐縮しました。


advancedsaving_01
今回の変更点の目玉は、なんと言っても
AED[Automated External Defibrillator]
の登場です。
日本語では「自動体外式除細動器」という
このAEDは、心臓に電気ショックを与える
ための機械です。
映画の医療現場のシーンなどでありがちな
大がかりな電気ショック装置とはだいぶ印象
が異なりますが、軽くて持ち運びが簡単な上に
手順を音声でアナウンスしてくれたり、
心電図を解析して電気ショックが必要かどうか
自動的に判断してくれるので、誰でも簡単に
取り扱うことが出来るスグレモノです。

海外では消火器などと同じように普通にあちこちに設置してある所もあるようですが、
日本では電気ショックを長らく医師しか扱えず、2003年に救急救命士が,2004年
からようやく一般市民が使えるようになった経緯があり、まだまだ普及はこれからという
機械ですが、、、
所沢市では、既に公共機関や鉄道の駅、それにパチンコ店などに設置されていて、使える
ようになっているそうで、今後序々に設置される場所が増えていくのではないか、との事
でした。
ただ、医療機器ということで大変高価な物なので、まだ一般家庭に常備できるような物
では無さそうです。。。
しかし、先の愛知万博や、全国高校野球選手権大会などで、実際にAEDがあったお陰で
助かったという人がいらっしゃるそうです。 今後そのような人達が、普及に比例して
増えていくと良いですね。


advancedsaving_02 advancedsaving_03
なんと液晶プロジェクターまでご用意
頂いた上に、オリジナルの動画教材まで
見せて頂いて、出来映えに感服しました。
復習がてら、熱心にスクリーンを見ます
カーラーの救命曲線ってそうだこんなの
学んだよね、やっと思い出した!
advancedsaving_04 advancedsaving_05
AEDはフタを開けて電極を
取り出し、右胸と左脇腹に
湿布のように貼ってあげるだけ。
音声ガイダンスが流れるので
じっと聞き入り、指示された通りに
行えば迷うことはありません。
advancedsaving_06 advancedsaving_07
ハイ、電気ショックを行います
危ないですから下がってください!
上級救命講習ですから、もちろん子供や
お年寄りへの応用等、色々な事を学びます。
advancedsaving_08 advancedsaving_09
学んだことを実践できるか効果測定
(試験)があります。緊張します。。。
そしてマルバツ形式の筆記試験。
お陰様で全員合格できました!


日本の救急車の到着までの時間は、平均で5分~6分と言われています。。。
「カーラーの救命曲線」によれば、心臓が止まってしまった人が、
仮に救急車到着まで5分間、何も処置を受けずにいると、どんなに高名な
医師の手にかかっても、ほぼ100%助かりません。
もし奇跡的に助かったとしても、身体にマヒや障害などの深刻なダメージ
が残り、社会復帰することが出来なくなってしまいます。
一方で、心臓が停止してから3分で心臓マッサージ等の処置が行えれば
50%の確率で,2分で処置を開始できれば75%の確率で、その人を
助けることができます。

現在では自動車免許取得の機会や、中学校の授業などで取り入れられ、
受講者の数も次第に増えてきました。
職員の方々の話では、実際に講習受講者が最寄りに居たお陰で一命を
とりとめた!というケースが所沢だけでも年に何件かあり、長年に渡って
色々な機会で講習を行ってきて良かったと喜んでいらっしゃいました。

しかし、誰がいつどこで急に具合が悪くなってしまうか分かりません。
家族や友達,恋人や大事な人達の命を左右する事態に遭遇してしまう事
だって可能性がゼロとは言い切れません。
そんな もしもの時、何をすれば良いか 知識を持った人達は まだまだ
少ないのが現状です。
家族全員が、国民1人1人が出来るようになれば、今まで救えなかった
命が救えるようになります。

ですので、お読みになってる皆さんで、まだ受講してない方が もし
いらっしゃいましたら是非、受講してみて下さい。
気軽に受講できる半日コースの「普通救命講習」と、本格的な応用などを
含む1日コースの「上級救命講習」と、2種類があります。
講習の受講者募集について詳しくは市の広報「ところざわ」に掲載されて
いますので、そちらを御覧になるか、最寄りの消防署にお尋ねください!


Go Back Top



1996,2007 Tokorozawa Fire7 Volunteer Corps